アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
だってだってのお嬢さん
-
『美咲side』
腹わたが煮えくりかえりそうだった。
折角、折角アタシが潔く諦めたのに……!!
あのスカした転校生、許せない──。
自分なりに頑張って、考えたけれど、自分に出来ることなんてたかがしれてるのを知っただけだった。
悠さんの事情もわきまえてるつもり。
なかなか行動を起こせないのも分かってる。
でも、あの人が行動すれば──どうにかなるでしょ!?
どうして呑気に携帯いじってるの!?
……ダメだ、イライラが収まんない。
今、部屋の中はアタシと悠さんの二人っきり。
いつもなら優しく笑ってくれる悠さんも、今はアタシのことなんて眼中にないみたい。
「……悠さん」
話しかけても、
「帰ってって言ってるでしょ」
冷たい返事が返ってくる。
ブチン、となにか切れる音がした。
「悠さんのバカ!! なんでなにもしないんですか!? いつもならすぐになんとかしてくれるじゃないですか!!
解決策だって、アンタなら分かってるんでしょ!? いつも余裕そうなアンタなら……っ!!!!
というか、こうなったのだって悠さんのせいなんじゃないですか!? アタシ、よく分からないけどヤクザが怖いのは知ってますし!!
もしかしたら大変なことになっちゃうかもしれないじゃないですか!!!! どうするんですか!!?? ねぇ!!!!」
バカみたいに焦ってて、悠さんの態度がとにかく分からなかった。
徹のことが好きだ、もう入院とかしてほしくない。
それと同時に、遥のことも好きだ。
皆のことが好きだ。
折角平和に過ごしてたのに、ぽっと出の意味分からない奴にどうしてこうも気が立っているのか。
分からないけど、分からないけど、喚かないと気が済まなかった。
「……帰りなさい」
「でも!!!!」
「美咲、アンタ自分勝手過ぎ。 私のこと責めないでよ……確かに私が悪いけど……今、考えてる途中だから……」
やっぱり、こんな自分が、嫌いだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
96 / 102