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今日はコータくんに会える。
昨日、電話を切ってから、僕はソワソワしっぱなしだ。
コータくんは、県外の大学。僕は、地元で就職。
遠恋だから、お金と時間の都合が出来る年末と御盆くらいしか会えない。
その分、毎晩、長電話してるけどね。
ふらりと姿を現した彼は、昨日別れたばかりみたいに、手をあげて見せると、どこ行こっか?なんて軽い調子で訊いてくる。
―やっと逢えたのに、それだけ?
「…ひろ?」
尖った唇に、気付いたらしいコータくんが僕の顔を覗き込んだ。
「ただいま」
大好きな微笑みが、どんどん近付いてきて
ガキン!
えらくメタルな音がして、僕らは同時にコメカミを押さえた。
「やっぱ、こーゆー時はどっちかが外さないと、危ないんだな。」
足元に転がった銀縁眼鏡を拾いながら、コータくんが苦笑する。
「するならするで、ちゃんとしなよっ!」
「そうだね。ひろ…準備はいい?」
ぃ、言われたら、言われたで、キンチョーするっ!
メガネを取り、思い切って、顔を上げた瞬間。
ゴッ
今度は前歯に何かがぶつかった。
「痛っ!」
「今のって、歯だよな?てか、ひろ、そんなに出っ歯だったっけ?!」
「ぶつけたの、そっちだろっ!?」
「あ~、ごめん。もっかい、いい?」
「イチイチ聞くな!ダメだって言ったら、どーすんだよ!?」
言い終わった瞬間、唇は暖かい温もりで塞がれた。
「三度目の正直?」
ニヤリと笑ってやると、掠れた声がこう言った。
「そろそろ抑えが効かなくなりそーなんだけど、いい?」
スルリと腰に手が回って、普段は行ったことないネオンが輝く方向が見えた。
「今夜は帰さない。」
宣言するように囁かれた。
「こ、コータ?」
「行くぞ!」
ぼやけた視界は。
今まで感じたことのない熱さを孕んでいるような気がした。
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