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祝②
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帰って来てから、彼はスマホの画面を見っぱなしになった。
彼の好きなキムチ鍋を食べて。
お風呂に入って。
布団に入ってもまだ、画面を見てる。
「…ねぇ。もう寝ようよ?」
「もうちょっとだけ。」
「もうっ!!」
「はいはい。おやすみ。」
スマホを置いて、背中を向けた。
そして、翌々日の朝。
つまりはクリスマス当日。
「お届けものでーす。」
宅急便で、小さな荷物がやって来た。
宛名は彼のだったから、当然、また何か自分の物を買ったのだと思った僕は、開けずにそのままリビングにおいた。
その夜、いつもより遅い時間に、彼が紙袋を提げて帰宅した。
「これ、開けてみ。」
「?…うん。」
紙袋の中から現れたのは、シンプルなロールケーキ。
「この前、誕生日にケーキ、食い忘れたやろ?サンタがついてへんのにしよ、思たらな、コレしか無かってん。」
「モトキくん…」
何だか、ジワッと泣けてきた。
「プレゼントもな、あれからすぐに探して買うたんやけど。年末やし、ちょっと遅れるかも知らんて、メールがきてん。」
「あ…。」
僕は、宅急便がきたことを思い出した。
「もしかして。コレのこと?」
「そうそう!コレや!!フミ、開けてみ!」
箱の中から出てきたのは、カフェオレみたいな色の革でできた長財布。
この手触り…
「ありがとっ!!」
僕は彼にぎゅって抱き付いて、大きな声でお礼を言った。
「フミ。誕生日おめでとう。」
「モトくんも。メリークリスマス…。」
僕らはどちらからともなく、唇を重ね、微笑み合った。
おしまい。
本日は兄貴の誕生日。
だからというわけではありませんが。
クリスマス直前に書いたものをUPしてみました。
私はまだ、大掃除中です。
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