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弾
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いつだったか
外国で立て籠り事件が起きて
犯人が射殺された、というニュースを見た子供が
「ねえ。撃たれるって、怖くなかったのかな?」
と訊いてきた。
さぁ、どうだったのかしらね。
銃を持ったことも
向けられたことも
一度もない私は
ぼんやりそう言うしかなかった。
私の祖父は戦中
造船所にいたらしい。
そこでの射撃訓練が
どうしても嫌で堪らず
色々理由をこじつけては
自分の分の弾を誰かに撃たせて涼しい顔をしていたらしい。
何ともあの祖父らしい
エピソードだと思ったけど
あの時代によくそんなことが通ったよなぁ…。
でも、関西のど真ん中やもんな。戦中も、ナアナアの融通がどうぞこうぞ効いたんやねぇ…。
なーんて想いと
ベランダ前に咲き初めたハナミズキから、また妙な話を書いてしまった。
ヒトは消えても
想いや願いは、何らかの形で残るんじゃないか
我が子が銃を持つことにならないよう
どうにしなくちゃなぁ
などとハナミズキを見上げながら私が何となく思ったりするのは。
たぶん、祖父達の世代が積み上げた想いのせいなのだろう。
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