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トンボ
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8月半ば、母の運転する車で、祖父宅へと向かった。
滅多に聴かない地元AMラジオ局のラジオで流れてきた、講演会の録音。
聴いたこともない名前のおじさんが何かを必死にひたすら喋っている。
司馬遼太郎生誕何周年とかそんな企画らしい。
―司馬遼太郎?
そう言えば
この前、日本海に向かう時に聴いた曲が、司馬遼太郎絡みだったっけ…?
『まだ話せない子供に食べさせながら、母親が話し掛ける。「Mちゃん、おいしいね。これダイスキね。」と自分がMちゃんになったつもりで、色々言う。実はここでもう演劇が始まってるんですよ!我々は生まれた時から、自然とこんな場面に触れて育ってきているわけですっ!!』
―は?
一体何の話だ!?
『司馬さんが、言ってるのはですね。「この時、母親は自分ではない視点でものを見ている。俯瞰、空から見る目を持っている」と言ってるんですよ!!』
―へえ。
何だか大袈裟だけど、この話、どこに行着くんだろうか?
『将棋でも、手詰まりになったら、自分が相手の立場になって考えてみる。するとまた違う手を思い付くんですね。こういうことが、モンゴルの騎馬を生み、日本の空軍を発展させたと、司馬さんは考えてらした。』
―ほうほう。
『能でも、最初に「オレは虎の王だ!!」なんて言って始めてしまう。すると観客も、だんだんそんなつもりになって、観ていく訳ですよ。わかります?この時、観客は、人間の言葉を聞きながら、虎の気持ちがわかる。つまり、人間の世界と虎の世界の間にいることになります。』
―へえええ。
なーんか、スゴい面白いんだけど。でも、だから何っ!?て言われても困るし、よく判んないけど、本当のことだよね。
さっき読んだファンタジー作家のインタビュー本でも、おんなじようなことが書かれていた。
A国とB国。
その境目に立ち、どちらでもない人
そういう立場の人こそが状況を打開していける
そして、私はそんな人物をかきたい。
―うんうん。
そうそう!
…そうだよなぁ。
前述のラジオの話は、結局尻窄みに終わってしまい、女性アナウンサーが苦笑まじりに上手いことを言って締めていた。
しかし、私の日記は私が締めなくてはならない。
えーと…
私がBL書こうと思ったのは、たぶん『男女どちらでもない』ことに惹かれたからだと思う。
そして、その『どちらでもない』けど『どちらにもなりうる』人物こそが、一番人間らしいような気がしたから、かな?
なんて
今日はちょっと、真面目に書いてみました。
…ぁー、はずかしっ!!
ε=┏( ´∀`)┛
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