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男の娘喫茶から歩いて15分の場所に柚葉くんの家はある。
春のまだ少し肌寒い夜の街を計6人で歩き家には到着した。
「さぁ、入ってー」
柚葉くんはニコニコしながら玄関を開け手招きをしている。
俺達はおじゃましまーすと言いながらそれぞれ入っていきリビングへと行った。
柚葉くんの家へ来るのはこれで三度目になる。一人暮らしにしては少し広い部屋でそんな部屋のあちこちに動物のフワフワとした可愛い人形が置かれている。カーペットも白い肌触りの良い毛並みのものだ。
俺はいつも座っている場所へ行きそこに腰をおろした。右隣には透が座る。そして左隣に座ったのは純也くんだった。
純也くんは大きな瞳で顔がとても小さく、ボブカットの黒髪に銀縁の四角い眼鏡がよく似合っている。女装をしている時はいつもセーラー服を着ている。
物静かで口数は少なく何を考えているのよくわからないそんな人だ。
いつも片手に本を持っていてそれを読んでいる。
実は俺はこの人の笑顔をまだ一度も見たことがない。それほどまでに表情も変わらない人なんだ。
しかし俺はこの人のことがいつも気になってしまう。
話しかけたいけどタイミングが見つからない。
基本的にこの人はこういう遊びとかに参加しないタイプなのに珍しく今日は参加しているし、それに今隣りに座っているから話しかけるには絶好のタイミングなんじゃないか?
よし。話しかけてみるか。
「あのー、純也くん」
「はい?」
「えっと…いつも何読んでるんですか?」
「……………」
「……………」
待て。何だこの沈黙は。純也くんは本を閉じてカバーがかけられたそれをじっと見つめている。
気まずすぎる。
「えっと、嫌なら無理して言わなくて大丈夫ですから!」
「……です」
「え?」
「BL小説です」
「へぇ~…って、BL!!?」
「はい」
驚いた。予想外すぎる回答に思わず返事ができない。と言うかなんて返せばいいんだ!?いや、ほんと予想外。
「…………やっぱキモいですか?」
「え、そんなこと」
「引きましたよね」
「いや、あのその驚きはしましたけど………」
「女装しながらBL小説を読む。これが僕の快感なんです」
「………はぁ」
「紫音さんは興味ありますか?ボーイズラブ」
「いや、俺ノンケなんで…」
「ふーん?」
何だっ!?今純也くんの顔つきが一瞬だけいつもと違った気がした。何ていうか口元だけニヤリと少しだけ笑った気がする。
とりあえず
怖い。
話しかけて正解だったのかな…?
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