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〈腹黒野郎〉
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最悪だ。絶対に先輩に目をつけられてしまった。
…よりによって祐太先輩に。
しかも、惚れさせるって…。
頭いかれてんじゃないの。てか、両方いける人なの?あの人って…怖い。
そんなこと隆にも相談できるわけもなく、机にうつぶせになり、抜け殻状態になっていた。
「…どうしたの?」
「…いや…なにも…」とだけいい、また机にふせた。…俺、ゲイにだけはなりたくない。
…中学時代、友達だと思ってたやつに部室で襲われて、隆が助けてくれたっけ。
てか、俺のまわりゲイ多くね?
てか、俺がもててるって隆がいったのも男にもてるってことなのか?!
「…悩みあるんだったらいえよ?」
「うわぁぁあ、お前本当にいいやつ、大好き」
「きめぇ」
まぁ、いつもこんな感じでじゃれあっている。…まぁ、今回は相談できるわけもないので、心の内にしまっておくが。
「…あれ、一誠先輩と祐太先輩じゃね?」
祐太先輩という単語にドキッとする。
入り口の方をみるとこっちに手をふっていた。
すると、女子が黄色い声をあげる。
…あ、あの二人もてるんだっけ。
「ちょっと、2人きてきて!」
と一誠先輩がいう。それに隆がよっていく。
…正直、いきたくないがゆっくり隆のあとをついていく。
「今日さ、部活休みな」
「明日はあるから二人ともちゃんとこいよー!」
と先輩2人がいう。…なるべく目をあわせないように一誠先輩の方をみる。
「あ、そうだ。今日俺の家誰もいないから3人こない?」
…と祐太先輩がいう。絶対にいきたくない。
「え!いきたいっす!」
隆のバカァァァァァアアア!
その流れで俺もいくことになってしまった。
一誠先輩も乗り気なようで。
「あ、そういえばさ、宏輔、ちょっとおいで」
と腕を引っ張られ、2人より少し遠くへつれていかれた。それをみた女子がキャァァアとまた叫ぶ。
「…お前ってさ、童貞?」
「は?!なにいって…」
…公共の場で…!!!
しかも、近くには友達がうじゃうじゃいる。
「顔真っ赤だけど?」
「う、うるさいです!」
すると、祐太先輩は俺に耳打ちをした。
「…お前ってさ、いじめがいあるから俺、好きだよ」
息が耳にかかり、顔がもっと赤くなる。
いやいや、おかしいって。
「からかうのやめてください!」
と教室へ戻った。
俺ってこんなに恋愛経験ないっけ?
いや、てか、恋愛経験って…!!!
恋愛対象じゃないし!!!
…自分がバカバカしく思えてもっとへこむ。
「おい、大丈夫か?」
と隆が頭をペチペチと叩いた。
「俺はゲイじゃない…」
「いや、顔真っ赤だったけどな?」
と隆にとどめの一撃を食らう。
「…ごめんって」
「…オンナトアソビタイ。」
「いやいや、カタコトになってるから」
…もう女と遊んで色々忘れたい。
ってか彼女作ればいいんじゃないのか?!
そうすれば、さすがにあの先輩もこなくなるはず。
「ねえ、今日、ナンパしにいこう!」
「いや、もう先輩と約束したから無理だろ」
そうだった。今日、先輩の家にいくんだ…
「…ぶち犯される…」
「なにいってんの?」
まぁ、一日中悩んで結局来てしまった先輩の家。
「はい、いらっしゃい。俺の部屋、そこだから入ってて」
と言われ、隆と一緒にはいる。
「あ、宏輔飲み物運ぶの手伝って〜」
「…はい。」
当たり前なことに誰も怪しむわけもなく、
反対側の台所へ行く。
…めっちゃやなんだけど…。
4つのコップにサイダーをいれる。
すると、背後に祐太先輩が立った。
「なにしてるんですか?やめてください。」
と突き放そうとするが耳にふーっと息をかけた。
ビクッ
「や、やめましょ?」
「…耳が感じるのかぁ〜」
というとニヤッと笑った。
「ちょっとごめんね」
というと先輩は俺の手を強く握り、逃げないようにした。
「え、何する…ん?!」
一瞬の出来事で何が起こったかわからなかった。
「んじゃぁ、みんなの方に戻ろうか。」
…唇には暖かい感触。
…まさかだよね。うん、そんなわけがない。
現実逃避をしてみるがすぐ現実に戻される。
…今、キスしたよね、この先輩。
本当にあたまくるってんじゃないの。
「…あ、童貞だもんな、刺激が強すぎたかな、お子ちゃまには。」
「おこちゃまじゃないです。」
童貞は否定できないけども。
「んじゃ、みんなの方に行こうか」
…一日で老けた気がする…。
「ねえ、飲み物とりにいってたとき、なんであんなに遅かったの?」
「あ、お、俺が飲み物こぼしちゃってさ〜」
「本当は?」
…嘘はやっぱりバレる。
でも、言えない。
「ごめん!言えない!」
「…お前と祐太先輩って出来てんの?」
「は?!出来てねえし!」
「顔真っ赤だけど…」
…キスのシーンを思い出してしまう。
「まあ、お前が言いたくなったら俺に言えよ?な?」
と隆がいった。…ふぅ…助かった。
こんな心広い人でよかった。
…でも、絶対完璧ゲイだと思われた。
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