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〈認めない〉
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「やめる?やめない?」
咲先輩に答えを急かされる。
「時間ください。」
「んじゃ、掛けは成立しないから」
と咲先輩は微笑む。
「やめたらサッカー部に入ればいいじゃない!」
…サッカーは確かに小学校の時にやっていたから出来るけどいまは比べものにならないくらいテニスが好きで。
…でも、先輩がこのまま騙され続ける。
「…サッカー部は入りません」
「んじゃぁ、やめるってことかな?」
…ゆっくりうなづく。
すると、咲先輩は満足げに笑顔で
「成立だね。んじゃ、ヤり捨ての話も誤解といてあげるね」
…そういうと「んじゃ、退部を楽しみにしてるよ〜?」といい彼氏のところへいった。
テニス部をやめる。…好きな人のために?
最低男のために?
…でも、祐太先輩が傷つけられるのはもっと嫌だった。
自分が傷ついたほうがマシだった。
これで少し関係が戻ればとおもった部分もなくはないが、先輩が傷つくのはみたくない。
人を罵倒してる方が先輩らしいや。
魔性の女の思惑どおりになってる。
でも…。
「すいません、一誠先輩…」
「どうしてだよ?なにがあった?」
…いえるわけもなく。
「すいません」
そういい、先輩の前をたちさった。
大好きな大好きなテニス。
毎日のように通ってたテニスコート。
「…さようなら…」
「まてよ!」
…後ろから手を掴まれ、動揺する。一誠先輩だ。
「ぜってえなにかあっただろ!お前溜め込むなって!なんでお前がやめようとするんだよ?!」
…全力でとめてくれた。…でも。
「言えない内容です…」
やっぱいえるはずもなく。
自然と困った表情をしてしまう。
先輩は俺の頬をぺちんっと叩いた。
「痛っ」
「祐太関係なら今すぐ部活に戻ってこい。俺はそれなら認めない。」
…先輩の目は真剣そのものだった。
自分の事情ならまだしもってことだろうか。
「…家庭の事情で。」
「嘘着くな。バレバレだぞ」
…本当に嘘つけない性格を治したい。
本当の理由もいえるわけもなく。
「…もう少し考えろ。ダブルスのペアにも迷惑かけるってことも忘れずにな」
そういい先輩は友達の方に戻った。
…隆がダブルス出来なくなったら俺のせいじゃんか。それに、それだったら俺、自己中すぎる。
…やっぱ、祐太先輩に直接話さなきゃ。
無視られても…俺はもう突き進むしかないとおもった。
…希望の光なのか新しい扉の光なのかは
わからないけど…その日は段々晴れていった。
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