アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
〈過去の話〉
-
中二の秋の試合の時期。
これで番手がまた変わるという大事な時期。
サーブも磨きたいしとにかく強くなりたかった。
でも、俺の部活に地方の大会も上位に行くような強いやつが転校してきた。
葛西波瑠。身長も筋肉のつき方も恵まれていた。
波瑠は両親が関西出身のため、独特の発音が特徴的だった。
俺の憧れでもありすぐ仲良くなれた。
テニス一筋の彼は髪もみんな染めても染めず、黒の短髪。それでもすごく綺麗な鼻筋、キリッとした目、色気のある口。
...女子からとにかく人気だった。
...が誰とも付き合わなく全部の告白を断っていた。
「...なぁなぁ、宏輔!今日も放課後乱打練習つきおうてくれへん?」
「ん?え、俺でいいの?!やったぁ!」
もちろんこいつにはテニスのうまさは叶わないくらい差がついていたし、打てるだけでありがたかった。(だからといって諦めてるわけではない。)
テスト期間は部活禁止だったけど俺はテニス好きだし、波瑠は強くなりたいの一心でこっそり残って打っていた。
...すぐバレて追い出されてたけど。
「なぁ!宏輔!」
「わりぃ...今日補習...。」
...高校を意識し始めた頃、俺は断る日も増えていた。
それが本人をおかしくしてしまったのかもしれない。
中3の最後の大会の前日。
「宏輔〜。練習しよう。」
「え?あ、明日大会だし早めに終わろうね〜」
それに返事はなかった。
...なんか機嫌悪い?
あ、確か今日の試合で隆とすごいせってギリギリ勝ってたっけ。
調子悪かったような...。
すると、部室に荷物を取りに行くともうみんな帰ったのか誰もいなかった。
「おーみんな帰ったんだね」
そういいラケットをとろうとすると壁の方へ叩きつけられた。
「...痛って...」
「...なぁ...もういいよなぁ?宏輔...」
...この時のこと鮮明に覚えてる。
目がすごく怖くて見たことのないくらい怖い表情をした波瑠が俺を強い力で押さえ付けて、
...部室が真っ暗に見えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 36