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「あん、やだ、短すぎよ~」
居間に戻ると、早速チチオヤに巻きつかれた。
冷房の効いた部屋でなお暑苦しい。
「いいな~。おねえちゃん、私も切って~」
ふわふわとゆれるロングヘアーのけ毛先を弄びながら、さくらが百合の手にじゃれ付く。
「だめよ! さくらはその髪型がいっちばん可愛いんだからっ!」
「うにゃんっ。くすぐったいよう」
がばっとさくらを抱きしめて、百合が頬擦りする。
デジャブ。
愛情表現も遺伝するのか。
いや、それは後天的な学習か。
但し、間違いなくあっちの方が綺麗だと思う。
「ああ、もう、可愛い可愛い! 仕事行きたくない~」
「うふっ、休んじゃう?」
「うううう~、この、小悪魔~」
じゃれあう姉妹をぼーっと見つめていたら、チチオヤに顔を掴まれ、無理やり向きをかえられる。
エマージェンシー。
首が折れます。
「あんた達、姉妹で変な事してんじゃないわよ~」
チチオヤの口から耳を疑うような台詞が飛び出た。
いや、あんたに言われたくないだろう。
「やだ、お父さん、さくら15歳だもん! 変な事したらお姉ちゃんつかまっちゃうよ~」
「そうね、まだ3年もあるんだなあ」
楽しそうに笑うさくらに、百合が深い溜息をつく。
ひと房掴んださくらの髪の毛を唇に寄せる百合に、さくらはなすがまま微笑を浮かべていた。
論点はそこか?
ってか、コレはマジなのか?
三次元は興味ないぞ?
突っ込むのが怖い。
久しぶりに帰ってくると色々進化しているんだな。
と、心の中で蓋をしておく。
「・・・たーくん・・・・・・」
耳元で聞こえた重低音に意識が急浮上し、反射的にブルリと体が震える。
耳は弱いんだ。
「?」
触れているチチオヤの体が寒さに凍えるように小刻みに揺れていた。
至近距離にいる隆雄にも聞こえないくらいの小さな声で口の中で何か呟いている。
「・・・・・・なに?」
様子のおかしいチチオヤに思わず声をかける。
ぽたり。
何か冷たいものが首筋に当たった。
「たーくん・・・これは・・・なに・・・?」
「?」
目にいっぱいの涙を浮かべ、暑苦しさが倍増したチチオヤに襟首を捲られた。
背中側に引っ張られて、地味に苦しい。
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