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4SLDKの一室、玄関に一番近いこじんまりとした洋室が俊明に提供された。
部屋の半分を占めるセミダブルのベッドとその脇には小さなテーブル、備え付けのクローゼットまであるその部屋は存外に居心地が良い。
何より大学に近いし、周囲に飲食店も多い。
掃除や洗濯はハウスキーパーがしてくれる。
心配していた御堂の態度も、徹底的に無関心という以外は何をされるわけでもない。
初めの二週間で泊まり込む事に慣れてしまえば、バイトのない日にもしばしば訪れるようになっていた。
練習でバテた時や、飲み会で終電を逃した日には転がり込む。
俊明が借りているボロアパートは、電車を乗り継いで到着した最寄り駅からも距離がある。
親には申し訳ないが、物が散乱した安普請に比べてこのマンションは天国の様だ。
度々顔を出す俊明に、御堂はやっぱり無関心だし、悟はいつもにこやかに迎え入れてくれた。
二人とも、この部屋に寝泊まりしている。
それぞれの寝室はもちろん不可侵。
悟の部屋は俊明の部屋の奥で、同じ間取り。
御堂が使っているのは、廊下を挟んで俊明の部屋の正面。
こちらは少し広いらしい。
御堂の部屋の奥に小さな部屋があり、そこは物置になっていた。
リビングとバストイレが共用スペース。
後は、初対面の時に御堂が籠っていたリビングの隣の部屋がワーキングルームで、常時何台ものパソコンが起動していた。
その部屋に俊明用にスペースがつくられて、基本はそこで作業する。
パーティションで区切られた狭い空間は窮屈だが仕方ない。
無言の室内は、御堂のキーを叩く音や機器のモーター音でそれなりに騒々しくて却って落ちつく。
仕事の主な内容はプログラムの動作確認だ。
各種取り揃えられたスマートフォンやタブレットを使う場合は、部屋に持ち込んでベッドに寝転がりながら作業した。
新機種が出れば即日届いている。
私用で使っても問題ないと言われて、垂涎したのは記憶に新しい。
アルバイトってこんなに恵まれてるものなのか?
仕事の内容も楽しい。
環境も良い。
付加価値もたっぷり。
文句のつけようがない。
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