アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
そもそも。
-
そもそもの発端は、4月に遡る。
進級して、クラスが変わった。
まぁ、俺には大差ないように思えるが。
とりあえず、そんなことはどうでも良い。
クラスが変わっても、周囲にグループが作られていることは変わらず、俺がそれに加わる気が毛頭ないのもまた同じだった。
いつものように自分の席に着き、本を読む。
……………………はずだったのだが。
「ねぇねぇ、何読んでるの?」
「うっわ、難しそ~。そんなの置いといてさ、一緒に遊ばない?」
何故邪魔をする。
俺はお前らと馴れ合うつもりはない。
と言うか、馴れ合うべきじゃない。
「ほら、こんな物置いといてさ~」
あ、こら。
人の物を勝手に取るな。
俺はその本が割と気に入っているんだ、早く返せ。
俺が柄にもなく少し慌てていた(周囲には迷惑がっているようにしか見えていない)時。
「駄目だよ、人の物取ったら。篠ちゃん困ってるもん」
誰だ、「篠ちゃん」って。
俺の人格をどうしてくれる。
「遊びたいのは分かるけど、人に迷惑掛けちゃ駄目っ!」
「ごめ~ん、修くん」
「俺じゃなくて、篠ちゃんだよ?」
「あ…………ごめんなさい、でした」
とりあえず日本語を勉強しろ。
そう思ったが、口に出さないでおく。
「ごめんねぇ、篠ちゃん」
「……………………いや」
見上げるな馬鹿。
…………いや、身長差があるから仕方がないのは分かるんだがしかし。
少し問題だと思うぞ。
と言うか俺は一体何を考えているんだ。
俺は変態ではない…………多分。
落ち着け、俺。
こいつは男だ。
…………………………男だ。
まぁ、そんな感じで今に至る。
俺も、あいつは可愛いとしか表せないのだと諦めてみた。
これが俗に言う恋愛感情なのかはよく分からんが。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 123