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他人と昼ご飯。 Ⅳ
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「篠ちゃん、もう無いの?」
「無い」
「えぇ~………………」
「……お前が全部食べたから無い」
唐揚げを食べ終わってから、こいつは玉子焼も食べ始めた。
そこからなし崩し的に俺の弁当を全部食われた。
どうしてくれるんだ俺の胃を。
まだ午後の授業があと二時間あるんだぞ。
「腹減った…………」
ちょっとまずい。
これでは授業にも集中できない。
「篠ちゃん、はいっ」
そんな事を考えていると、いきなり目の前に玉子焼が差し出された。
「………………?」
「お腹空いてるんでしょ? 柚実ちゃん先輩に作ってもらったお弁当が残ってるから、これあげる!」
…………あるのか。
俺の玉子焼が食われたのは何だったんだ。
でもまぁ、確かに空腹だ。
「………………貰う」
俺が弁当箱を受け取ろうとすると、ひょいっと引っ込められた。
「はい、あ~ん」
「………………はっ?!」
「俺も食べさせてもらったもん。だから今度は交代」
「いやいやいやいや、無理、その方が無理!」
絶対無理だ。
誰かに食べさせてもらうなんてこと、普通は無い。
しかも深澤だ。
俺の心臓が保たない。
「無理じゃないの、食べるの!」
「ぅ……………んんっ?!」
無理やり口に突っ込まれた。
「ちょ、ゴホッ…………いきなりっ…………!」
「あんまりぐだぐだ言ってるからでしょ~」
「ケホッ…………」
「…………ごめん、ちょっとやり過ぎた」
咳き込んでいると、お茶を渡された。
…………割と優しい。
とりあえず苦しいので飲む。
「…………熱っ!」
やたら熱かった。
痛…………舌火傷した…………。
「今はね~、寒いからねぇ~」
だからって熱すぎだ!
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