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[間奏] 京の逡巡。 Ⅴ
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数学の授業中に、かたん、と音がした。
何だ?
皆あまり気にしていないようで、前を向いている。
とりあえず、授業が終わるのを待つことにした。
授業が終わって、教室を見回すと、修がくたっと机に伏せているのが見えた。
ふと、すぐ横に落ちているシャーペンに目が止まる。
…………落としたのか?
様子がおかしい。
気になって、修の机に近付いてみる。
「修」
返事の代わりに、小さな咳が聞こえた。
試しに額に触れてみると、熱い。
随分熱がある。
「あれ、深澤どうした?」
振り返ると、白宮琉已がいた。
「熱がある」
「……あー、かなり高いな。保健室行って、早退させた方が良いんじゃん? 篠束、送ってやれば」
「送る?」
「その状態で一人で帰すと危ねぇから。早退届は出しといてやるよ」
「…………ああ」
修を揺すぶってみるが、起きない。
仕方ないから抱き上げる。
熱で火照った顔に、髪が張り付いていた。
「…………姫抱っこ。萌える!」
琉已は密かに呟く。
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