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[間奏] 京の逡巡。 Ⅷ
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居間へ連れて来たものの、修は俺にしがみついたまま離れようとしない。
身長差があるので、熱の混じった吐息が首筋にかかってくすぐったい。
どうするんだ、これ。
「修、ちょっと離れろ」
「やだ!」
どうも、修に拒否されると強く出られない。
『俺にはあんたが修に恋してるように見えるんだけど?』
ふと、白宮の言葉が頭をよぎる。
もし。
もし、あれが本当のことなら?
俺は……………………。
こて、と修の力が抜けた。
「修?」
どうやら、寝てしまったらしい。
部屋へ連れて行って寝かせてから、台所を借りて雑炊を作り始めた。
雑炊を器に盛って、修の様子を見に行く。
熱のせいでほのかに赤みが差した顔が、ひどく扇情的だなどと考えてしまい、慌てて首を振った。
「んぅ……けい…………」
当の修は、何か夢を見ているらしく、寝言を呟いている。
「け、い……………すき…………」
「っ?!」
心臓が跳ねる。
いや、これは友人としてであって、そういう意味では……ない、はずで…………。
顔が熱い。
どうやら俺は、白宮の言葉を認めなければならないらしい。
…………不本意だ。
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