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時間は甘く溶ける。 Ⅹ
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ぎゅう、と京の服を抱き締めていると、戸の開く音がした。
びっくりして振り返ると、呆気にとられたような顔をしている京がいた。
「……修?」
「あ、えと、これはその、ちがくて」
どうしよ、俺変態みたいじゃん?!
「その、京の匂いだ、って思ったら何か安心して…………」
もう、やだ。
何でこんな、俺、空回ってばっか。
はぁ、と溜息が聞こえて思わずびくっとする。
嫌われた?
「修」
「っ、はい」
「あまりそういうことを言うな」
やっぱり、ね。
そりゃ、端から見たら気持ち悪いだろうし。
分かってるけど。
「俺が抑えてるのが馬鹿みたいだろうが」
「え?」
勢いよく顔を上げて京を見たら、色に濡れた瞳がこっちを見てた。
「…………さっさと風呂入ってこい」
「うん」
嫌われて、ない?
「ふふ」
「何だ?」
「んーん」
余分の布団が無かったから、京と一緒に寝てる。
いつも一人だから、こんなあったかいの久し振り。
それに、その、好きな人なわけだし。
「ちゃんと布団被らないと、風邪がぶり返すぞ」
……ちょっとお父さんみたいだけど。
でも、好き。
「修?」
ぎゅう、と京にくっつく。
そしたら、ぎゅっと抱き締められて、急に睡魔が襲ってきた。
「もう、寝ろ」
「ん……ゃすみ…………」
ふ、と京が笑ったような気がして、おでこに柔らかいものが当たった。
「あぁ、お休み」
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