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車を降りてまず目に飛び込んできたのは、大きな白い建物だった。
アーチを描いた鉄骨のようなものが何本も伸びていたりと、建物全体がアートになっているようだった。
…そんなことを考えていたのも束の間で、深雪さんに促されるまま僕達は美術館の中へと急いだ。
広いロビーに着いた所で、僕は夜人さんたちがデザイナーさんと打ち合わせが終わるまで待機する事となった。
『ごめんね!終わったらすぐ呼びに来るわね』
「いえいえ!大丈夫です!待ってますから」
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そういって見送ったはいいものの…、さすがにここだけで時間を潰すのもきついかも…………。
二人を見送ってから、もうすぐ2時間が経とうとしている。
…………ちょこっとだけ、他のところも見に行ってもいいかな。。まだ終わらないだろうし…。
そんな考えから、ふらっと館内を探索し始めた。
ほんと広いなぁ…。越してきてからは美術館に行ったことなかったから、なんか新鮮な気分。
「…これ、なにかな?」
絵画以外にも、複雑な形をしたオブジェが館内に展示されていた。
その中で目に付いたのは、全体的に丸みのあるオブジェで…人、を表現しているのかな…? 間の抜けた表情がちょっと可愛いかも。
「ちょっと夜人さんっぽいな……くすっ」
「…ん、なに?」
「っ?!夜人さ、?!」
声に驚き振り向いた。
いつの間にか後ろにいた夜人さんは、僕の様子が可笑しかったのか微笑み佇んでいた。
「もっ、もう打ち合わせはいいんですか?」
「あ、うん。なんとか打ち合わせは纏まったよ。…長くかかってごめん、退屈だったよね?」
「い、いや!そんな事ないです。」
「その、お詫びに…なるか分かんないけど、2人でちょっと外いかない?」
「…!行きたいですっ」
僕の言葉に少しびっくりした様子だったが、「良かった。じゃあ、行こう。」と優しく微笑んだ。
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