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『ーーーーあ、やっと帰ってきたわね~。私が話詰めてる隙に…』
「あれ、話終わってたんじゃ…」
夜人さんに視線を向けると、察したのかふいっと目を逸らした。
「あー…っと、、すまんな深雪。ちょっと二人でぶらついてた」
『ま、いいわよ。貴方なしでも大丈夫な内容しか残ってなかったし。 はい、後はこれ読んどいてね。』
「ありがとう。」
夜人さんも深雪さんも、僕に気使ってくれたのか…なんか申し訳ない事しちゃったな…。
『?どしたのー旭くん? 夜人に嫌なことでも言われたの?私がしめようか?』「おーい」
「あ、いや違くて…!お2人に迷惑かけてしまったな、と…」
『(いいーのいいーの気にしないで!夜人が居てもいなくても一緒だったから。それよりちゃんと楽しめたかしら?…デート)』
「…!…はい…!」
『そうかそうか!それは良かった。』
そういって僕の肩を抱きながら、うんうん、と満足げに頷き微笑んだ。
「2人で何話してるの…というか、……深雪、近すぎだから。」
そう言うと、二人の間に割って入るようにこちらへ近寄ってきた。
…なんか、夜人さん不満そう…?
その様子を見て、深雪さんが一瞬呆気に取られた顔をして、少しニヤついた顔をして、
『これはこれは、大変失礼致しました。っふふ』
とわざとらしく返した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美術館での打ち合わせは終わり、深雪さんに見送られながら僕達は帰宅の途についた。
何となく、帰り際も深雪さんのこと警戒してたな。。夜人さん。
昨日の事はともあれ、今日はお酒も抜けてたし大丈夫だったと思うんだけどな。
「旭くん、深雪と仲良いの?」
「へ?あ、いや…夜人さんの所にいらしてた時に少しお話をしたというか、…」
「…そ…………。」
うええぇ??なに、僕なんか怒らせたかな…??
「…っだぁぁああ!駄目だ俺かっこ悪い!」「はい?!」
「ごめんね、旭くんに怒ってるんじゃないんだ。…ただ、今まで付き合ってて、彼女が誰かと話してても何も感じなかったのに…。」
「なのに、ここに来て旭くんに対する深雪の接し方がどうも気になって…こんなもやもやするの初めてだから、自分でも自分がよく分からんくて、なんか…しんどい…」
そう言うと、ため息をついてぐったりと肩を落とした。
そういえば前に…、深雪さんが夜人さんは鈍感でよく女の子を泣かせてた、って。
ってことは、今、夜人さんは僕に対して少しだけ敏感になってくれてる…って思っていいのかな…?だとしたら、、こんなに嬉しいことは無いんじゃないか。
「ごめんね、なんか俺、凄い面倒臭い奴みたい。全力で直す…っ?!」
堪らなく愛おしく思えて、気づいたら夜人さんを抱き締めていた。
「いいです。そのままでいて下さい。」
「…う、うん…。…………!!」
ーーーーーーバッ!!!
何かに驚いたのか、夜人さんが僕の腕を解いて、半歩後ろに下がった。
「っ、ごめ…。なんでも、ない、から…」
? 夜人さんの方をみると、目が泳いで少し顔が赤くなっていた。
「どうかし、……」
時折もぞもぞと動く様子を見て、なんとなく察した。
と、同時に、何故か僕まで顔が熱くなってきてしまった。
なんでこんなに高揚?してるんだろうか。心臓が脈打つ音が、耳にまで届きそうだった。
何か、わからない…けど、、
夜人さん、その顔、なんかやばい………。
心臓の音に突き動かされるように、夜人さんの腕を掴んだ。
「夜人さん、早く帰りましょ…」
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