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「な、なんとか大丈夫でした。お待たせしました、どうぞ。」
「あははっ良かった。じゃあ、いただきます。」
「………どう、ですか?」
「美味しい。」
それを聞いて、思わず笑みが溢れてしまったので、あわてて引っ込めた。
夜人さんは夢中で食べてるから、たぶん、気付かれてないはずだけど。。
人が美味しそうに食べてるの見てにやけるなんて、流石にキモ過ぎだわ…やめよ。。
でも、そのくらい夜人さんの食べっぷりは気持ちいいほど良くて、コメ粒1つ残さず完食した。
「ご馳走様でした。」
夜人は、満足げな表情を浮かべた。
「お粗末様でした。 …あ、1つ聞きたいことがあるんですけど。。」
「ん?」
「夜人さんって、何のお仕事されてるんですか?」
「俺? んー、絵描きさんって所かな。」
「絵描いてるんですかっ??」
「うん。まぁ、まだまだ売れっ子とはいかないんだけどねー。たまーに個展とかで売れても、画材費と家賃とかでほとんど手元に残らないから、まぁ基本ジリ貧生活。」
「な、なるほど…。」
そんな生活をしながらでも自分の好きな事を貫いているから楽しいし充実してることや、ホントにやばい時は大家さんが助けてくれることなどを、夜人さんは話してくれた。
「そういや、昨日俺、君を大家さんだと間違えちゃってたよね。申し訳無かった。」
「あ、いやいやっ。仕方ないですよ。」
「本当に優しいね。 …あ、俺そろそろ自分の部屋に戻って続きの作業しなきゃ。」
「そうなんですか? 分かりました。 」
「なんか、頂いてばかりでごめんねー。何かお返し出来たらいいんだけど…。」
夜人さんがそう言って申し訳無さそうな顔をした。
「…あ。じゃあ、今度僕が夜人さんの部屋に行ってもいいですか??」
「お?いいけど…。散らかってるよ?」
「大丈夫です。その、夜人さんが描いてるところ見てみたいです!」
半ば強引に、訪問の約束を取り付けた。
ミステリアスで掴みどころがない夜人さんについて、もっと知ってみたいと好奇心が湧いてきたからだ。
「それじゃあ、お邪魔しました。」
「はいっ、あの、頑張って下さい!」
夜人さんは少し微笑んで、自分の部屋に戻っていった。
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