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「……はっ、今日学校だよね?!ごめん、引き留めちゃったよねっ??」
夜人さんの手の温もりが離れていく。
同時に、少し寂しい気持ちになった…。
「あっ……………、いや今日は休みなんで!!」
そんな訳はない。
さっきからポケットの中のケータイがメールのバイブで何度も振動している。多分、健人だろう。
でも、もう少し…もうひと時でいいから、この2人だけの空間に留まっていたかった。
「あれ…??そ、そうなんだ。」
「はい。……だから、あのっ、もう少しここに居てもいいですか?」
怒られる…かな。。
「もちろん。好きなだけゆっくりしていって。」
怒ることはなく、にっこり笑ってそう言った。
「って言っても、俺絵描くだけで、もてなせる物はなんも無いんだけど」
「いいです!…あの、夜人さんの描いてるところ、見ててもいいですか?」
「うん。いいよ?」
夜人は、部屋の奥から両手を広げた位の大きさのキャンバスを持ってくると、イーゼルに立て掛けた。
「わぁ…………!」
満点の星空の下に、広大な平原が広がり、その中にブロンドの髪をした少年が空を仰いでいる絵だった。
「もう少しで完成なんだ。」
描き進める夜人さんの姿を眺めながら、小さめのイスに腰掛けた。
絵に真っ直ぐ向かう夜人さんの目、一点の曇りもないキラキラしたガラス玉みたいで、本当に綺麗………。
初めて会ったときもすごく綺麗だなって思った。聡明で優しさを湛えた、その目が僕は大好きで…
「…見てるだけじゃ疲れない?」
「え?あ、いや大丈夫ですっ」
…しばらく夜人さんを直視するのも至難の業だったし、ちゃんと見れるのが嬉しいから疲れるなんて、ありえないです。
でも……。いつまでこんな関係なんだろうなー……。。
よるひとさん、もっと……、ぼくに……、きづいて……………。
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