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「…………ひ」
誰の声だろう…?
よるひとさん…いや、…ちがう。
「あ………ひ…、あさ……あさひっ」
「………ぇ、けんと…?」
ずっと名前を呼んでいたのは、健人だった。
「ふぅ、やっと目覚ましたな。」
「健人、なんで此処に…学校は?」
「休んだ。」
休んだって……、僕なんかの為に?
「それより、頭かしてみ。」
健人の手が、僕のおでこに触れた。
「ん、熱下がってる。気分どう?何か欲しいものとかない?」
健人が優しく尋ねる。
今思ったけど、布団の中で眠っていたようだ。多分、健人が敷いてくれたのだと思う。
「いや、大丈夫…。」
「そっか。あ、お粥なら作ったから食欲出てきたら食べな。」
「うん。…ありがとう健人」
少し照れくさそうにはにかんで、傍らに座った。
「にしても、旭が体調崩すなんて珍しいな。」
「えへへ、ちょっと徹夜しちゃって…。」
「えへへ…じゃねーよ。全く…。心配すんだろ。」
心配してくれたんだ。。そっか……。
少し申し訳なくて、下を向いた。
「……ごめん迷惑かけて。。」
「…………。」
健人の手が僕の髪に触れ、くしゃくしゃと撫でた。
「わっ?!」
「謝んなよ。…その、何だ、俺が好きでやってんだから気にすんな!」
健人のこういう優しさが本当に身にしみて、少し涙が出そうになった。
「お?なに旭泣いてる?」
「…っな、泣いてないっ!」
「泣いてんじゃーんw」
その後、健人の作ってくれたお粥を食べてからゆっくり話しをして過ごした。
「ほら、もういい加減寝とけっ。明日休んだら許さねーかんなっ!」
「うん。わかった…、おやすみ」
「おう、おやすみ」
目を閉じると、溜まっていた眠気がすぐに襲ってきて吸い込まれるように眠りについた。
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