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次の朝。
学校に着くと、まだ来ていないのか健人の姿はなかった。
内心、ちょっとだけホッとしちゃった…
昨日突然、キスされて、その上電話で告白されたわけで、一体どんなふうに話したらいいか分からない。
健人のことは好きだ。だけど、それは友達してという概念しか僕の中にはなかった。
「どうしたらいいんだ……」
机に突っ伏して考え込んでいると、後ろから何かで小突かれた。
「よっ! おはよ、旭っ」
「あ、健人…。」
え、待って待って。
なんでそんなテンション高いんだよ?
「なんだなんだー?また眠そうな顔してんな。寝んなよ?講義中ー」
「ね、寝ないよっ!つか、髪わしゃわしゃすんなっ」
「へへへっ」
無遠慮に崩された髪を急いで整えた。
あれ、なんか普通に話せてる?
つい健人のテンポに流されてしまったが、そのおかげで普段と変わらない会話が出来た。
その後も、休み時間にやって来てはまるで何も無かったかのようにいつも通り話しかけてきた。
そのたびにテンションに飲まれて、話を切り出せなかったんだけど……。
「あーさひっ、途中まで帰ろーぜ」
「あ、うん…。あのさ、」
今言わなきゃ、そう思っているのになかなか言葉が出てこない。
つなぎ合わせるようにして、少しずつ喋った。
「昨日の、こと……なんだけど」
「あー、いいよ。忘れて?」
は……???
「別に返事が欲しいとか今すぐ付き合ってくれとかそんなんじゃ無いからさ。」
「今は…そうだな……。」
「わっ?!」
健人に腕を掴まれ、引き寄せられた。
健人の顔が近づいてくる。
その瞬間、昨日のことを思い出して僕の顔が熱くなってくるのが分かった。
「旭がちょっとは意識してくれてるだけで十分。」
そう耳元で囁かれ、律儀にも耳まで熱くなってきた。
「……ぷっ、顔真っ赤。」
「……う、うっさいっもう離せってば。」
健人の腕が緩んたので、飛び退くように離れた。
まだ顔が熱いのが恥ずかしくて、無言で、なるべく早足で歩いた。
「ちょ、そんな怒んなよ」
「怒ってないっ!」
「怒ってんじゃん」
ほんとに怒ってなかったけど、どう考えてもまともに話せる気がしなかったので、健人に別れも告げないまま駅の改札を急いで通り抜け、帰宅の途についた。
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