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雨と美形と平凡と。 05
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--- カシャンッ
走り去る聡の鞄のサイドポケットから、携帯電話が落ちた。
が、等の本人はその場から逃げる事に必死で、全く気付いていない。
立ち止まっていた神崎は、身元の知らない平凡学生の小さくなっていく背中から目を外し、地面に落ちた携帯に目を落とした。
聡の姿が見えなくなり、周囲も沈黙から少しずつ明け始めた。
間もなくして…
「さっきの平凡君は何処に行ったの!?」
「居ないなら、一緒に学校行こうよ~!」
先ほどの女子生徒二人組が神崎を見付けて駆け寄って来た。
神崎は苦い顔をし、無言で携帯を拾い上げ、走り去った聡の方向へ歩きだした。
金魚のフン状態でペチャクチャと喋る女子生徒二人に、小さく溜め息を吐き、歩く速度を早めて学校へ向かうのであった。
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