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落とし物ランデブー 03
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キーンコーンカーンコーン…
いつの間にか寝ていた聡は、鐘の音を聞いて目を覚ました。
まだ完全に起きない頭を、少しずつ現実に戻していき、自分が携帯を紛失中であることを思い出す。
目の前の席の涼太にお願いをしようと目線を上げたが、そこに目的の人物は居なかった。
(部活のミーティングっつってたよな…長引いてんのか…)
教室の時計を見て、先程の鐘の音が予鈴だったことに気付く。
ーーーガラッ
と、そこにタイミング良く涼太が教室の扉を開けた。
同じ部活のクラスメートを数人と一緒に話しながら入ってきたが、しばらくして聡の視線に気付き、涼太は自分の席に向かってくる。
「なに速水…そんな熱い視線を俺に向けて…」
「…えーっと…ちょっと困った事がありまして…」
「…なに?」
「け、携帯を「ねえ涼ちゃ~ん」」
クラスメイトの女子生徒が割り込んできた。
声の方向へ顔を向ける涼太と、苦い顔をする聡。声を掛けた主は、聡のそんな態度には全く気がついてない。
「一昨日にきた転校生の事なんだけど、名前なんだっけ!?」
「え?誰それ?」
「ほら、モデルばりにイケメンだって噂で~1組に来た人!」
「男の情報なんて知らねーよ。しかも別クラスなら尚更。」
「え~」と不満気味な声を漏らした女子に対し、「可愛い女の子の情報なら、いつでもウェルカム!」と人懐っこい笑顔を向ける涼太。
と、間も無くして担任の先生が入ってきて、席に着くよう注意を促す。
「あ、速水ごめん。あとでな!」
軽く頷き、SHRが早く終わることを聡は祈っていた。
が、聡の願いは届かず、今日に限って連絡事項が多いのであった。
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