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落とし物ランデブー 05
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驚いた聡は、慌てて涼太の携帯を手に取った。
「も、もしもし!?」
『…』
「あれ…?もしもーし!」
『…あ?』
(うわ…もしかしてヤバイ系の人の手に渡ったんじゃ…)
急に不機嫌な声が聴こえ、不安の波がどんどん押し寄せてくる。
無事な携帯をどうにか返して欲しい聡は、声を振り絞った。
「あ、あの、それ…俺の携帯なんで、すけど」
「ぶはっ」
しどろもどろに伝えた聡の横で涼太が盛大に吹き出したが、聡には返す余裕が無い。
『…で?』
「…え?」
(で?って…まさか…金とか…要求されるんじゃ…)
見えない相手の横暴な返答に、マイナスな考えしか浮かばない。
「涼太ー先に食堂行ってるぞー」
近くにいた3人の男子生徒の内の1人が言い放つと、その場を去ろうとしている。
聡は涼太を待たせている事にハッとなり、
「…その携帯返してくだ、さい!」
焦りから、弱腰ながらに勢いで要件を伝えてしまった。
『…はぁ』
電話の向こうから、溜め息が聴こえる。
(怖っ!まじどうしよう!)
返答に困る聡だったが、電話の相手に向けて、誰かが話し掛ける声が聴こえた。
『神崎くーん!今日はお昼どーするの?』
(ん…?カンザキ…?)
そして、朝に涼太と聡の話を遮った女子生徒が、涼太に話し掛けてきた。
「涼ちゃ~ん!1組のイケメン転校生の名前、分かったよ!
神崎成美(かんざきしげみ)くんって言うんだって!」
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