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嫌よ嫌よも… 06
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本日最後の授業が終わり、帰りのHRを迎える。
帰り道に本屋にでも寄ろうと考えていた聡だったが、先生の連絡事項から掃除当番であることに気付いた。
名前順に分けられたグループの為、涼太も同じ当番だった。
数名の生徒が教室に残り、机を端に寄せたり、黒板を清掃したりと、各自掃除作業を始める。早く終わらせたいという気持ちは全員一致らしかった。
「なあ、速水」
ゴミ箱の中身を捨てる為に袋を取り出していると、不意に涼太が声を掛けてきた。
「神崎と、なんで知り合いになったの?」
「え…?」
思いもよらない質問に、作業をしていた手を止める。
「携帯…」
記憶を遡り、思い出した物の名前をポツリと呟いた。
「携帯?」
「落とした携帯、アイツが持ってたんだ。キッカケは多分…それかな…」
「ふーん…」
面白くないような涼太の返事に、聡は疑問を抱いた。様子を窺ってみると、足元を見つめながら、片手に持った箒を適当に動かしている。
「ど、どうしたんだよ、長谷部…?」
「…いや、何でもない。」
そう告げると、掃除をしている別の生徒の元へ去っていった。
(俺…なんかまずいことしたのか…?)
離れていく涼太の背中を見ると、不安感が少し胸の中に広がる。
しかし、呼び止める勇気も無い聡は、とりあえず目の前にある仕事を片すべきだと考え、ゴミ箱を持って教室を後にした。
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