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嫌よ嫌よも… 07
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漸くたどり着いたゴミ回収場所。
早く到着した為か、他の生徒の姿は無かった。
ゴミ箱から袋を取り出し、目的の場所へ置く。
思った以上に重量があり、置いたと同時にため息を吐いた。
(戻って早く帰ろ…)
ゴミ箱を片手に、教室へ向かう為の道を通ろうとした。
その時、通路の向こう側から、同じくゴミ箱を持った生徒が1人、足早に歩いてきた。
相手も早く帰りたいのであろう、聡は通りやすいように端に避けると、相手もこちらに気付いたようだった。
「あ。」
呆けたような声を上げて立ち止まり、聡を見つめる女子生徒。
知っている相手かと思い見返してみるが、全く覚えが無かった。
(…え?なに…?)
フと彼女の手に持たれているゴミ箱を確認すると、″2-1″と記されていた。
「君、神崎くんの後ろついてってた人?」
「え…」
そういえばこの前、成美の後を追って1組の教室を出たのだ。恐らくはその姿を見ていたのであろうと察した。
「友達なんですか?」
「え?」
「神崎くんの」
「ち、違います…」
デジャブの様に甦る質問に答えた後、ため息混じりにその場を去ろうとした。
「ちょっと待って!」
急に呼び止められ、女子生徒の方へ振り返った。
「もしかして…昼休みに一緒にいたり、しない?」
背中にヒヤリとしたものを感じる。
肯定した場合、恐らくは居場所がバレるだろう。
「な…んで…?」
「最近、神崎くん、昼になると直ぐにいなくなっちゃうの。神崎くんと君、一緒にいるんじゃないの?」
相手の勘の良さに、嫌な予感しかしなかった。
元々上手く嘘がつけるタイプでは無い。
「ごめん、急いでるから…!」
「あ、ちょっと…!!」
冷や汗が滲んむ手でゴミ箱を握りしめ、相手の制止を振り切り、聡は足早にその場を後にするのだった。
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