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フレンドシップトリーティー 02
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登校途中、数名の女子生徒から挨拶を掛けられた。
恐らくは聡では無く、隣にいる成美に対してということは分かった。
対する成美は、挨拶を返さないでいる。
「なぁ…神崎って…嫌われないの?」
「は?」
「だって、あんなニコニコしながら女子に挨拶されてんのに…シカトって…」
「めんどくせぇだろ」
(…俺のがめんどくさいだろ)
どうして自分と友達なのだろうか。敢えて口には出さなかったが、疑問が強まる。
教室の前でと別れる際、「また後で」という慣れない言葉に聡はむず痒さを感じた。
しかし、教室に入った瞬間、数名のクラスメイトから視線を浴びたことにより、一気に気分が冷める。
あからさまに冷ややかな視線だった。
とりあえず席について、居にくい空間を携帯で誤魔化そうと考える。
が、次々に教室に入ってくる何人かの生徒達もまた、聡に向けて同じ様な視線を送ってきた。
(…な、んだ…?)
流石の聡も、昨日とは違う違和感を感じていた。
数分後、涼太が何人かのクラスメイトと一緒に教室に入ってきた。
相変わらず、聡に視線を向ける事は無く、そのまま席につく。
他の生徒と話している涼太の背中をチラリと見て、いつか謝らなくては、とうつ向いた。
HRが終わり、授業が始まる。
テスト期間まで1週間を切っている為、先生がテストに出る範囲を伝えていた。
筆箱から出したマーカーで教科書に印を付けていると、右脇に置いてあった消ゴムの存在に気付かず、床に落としてしまった。
落ちた先を確認すると、涼太の椅子の下へコロコロと転がっていくのが見えた。
声を掛けようか悩んだが、自分の足に届きそうな位置だった為、右足をソッと涼太の椅子の下に伸ばす。
消ゴムに何とか爪先が触れ、こちらへ少しずつ消ゴムを転がしていた。
しかし、あともう少しという所でコントロールを誤ってしまった。
ガンッ!
涼太の椅子を蹴ってしまったのだ。
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