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フレンドシップトリーティー 07
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「お、お邪魔します…」
玄関の扉が閉まると、成美は鍵をかけ、昨日のリビングに進んでいく。
脱いだ靴を揃えると、ソロソロと成美の後を追った。
「今日、俺の部屋でやるから」
「わ、わかった。」
「何どもってんだよ」
2本買った内、1本のペットボトルを冷蔵庫にしまい、グラスを2つ持った成美は自室へ案内する。
「そこ、開けて。」
成美に顎で指示された部屋を開ける。
玄関先でも感じていた成美の匂いを更に濃く感じた。
ドクリと心臓が波打つ。その場に立ち尽くしていたが、早く入れと成美に急かされてハッとし、慌てて中に入る。
ベット。洋服箪笥。本棚と小さなCDラック。中央には小さな木製の机。
いかにもシンプルな部屋は、綺麗に整頓されていた。
キョロキョロと視界を巡らせている聡に、適当に座るように伝える。
聡は、とりあえず机の端に座った。
「教科書あんの?」
「ああ、昨日の参考書も持ってきた。」
ゴソゴソと鞄を漁り、ノートと筆記用具も含めて机に置いた。
成美は授業の進行具合を確認する為に、聡のノートに目を通す。が、パラパラと捲るに連れて、眉間に皺が寄る。
念の為に教科書も見てみると、多数のマーカーの跡が、ここから先は夢の中というのを物語っていた。
溜め息をついた成美の視線が、聡を捉える。
「な…なんすか…?」
「…とりあえず、参考書見して」
「え、あ、はい…」
聡の差し出した参考書を手に取ると、テストの範囲内の箇所に目星をつけ、例題を探す。
「…これ、訳してみろ」
「えーと…」
シャーペンとルーズリーフを焦って手元に用意すると、聡は指定された問題と睨み合った。
(なるほど…全然わからん…)
さてどうしたものか、と顎の下にシャーペンを持っていき、ウンウン唸っていると、成美は溜め息を吐いた。
「…どこがどうわかんねぇんだよ」
「…分からないとこが…分かりません…」
「…は?」
「いや、俺も真剣なんだ。まじで。今回本当にヤバイんだよね…」
「お前な…じゃあ文法からやる…」
「よろしく、神崎くん!」
ペコリと頭を下げる聡に、成美は苦笑しながら文法を教え始める。
途中で分からなくなると直ぐに質問できるというのもあったが、意外にも成美の教え方は分かりやすかった。
ものの30分で、なんとなくではあるが、文法を数種類覚えることができた。
「神崎…凄いな…」
「…何が?」
「めちゃめちゃ分かりやすい」
「コツ覚えとけば、簡単なんだよ」
フッと笑いを漏らすと、続き、と呟いて残りの分を教え始める。集中していたこともあるのか、時間はあっという間に過ぎていった。
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