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王子様と僕
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「っ、おい!優都!突然どうしたんだよ!」
成宮先生のことだ、申しつければすぐにでも早退させてくれそうだったのに。
「ちょっ、足速えよ、優都!」
それでも優都の足は止まらない。
「優都っ!」
くそっ。このバスケ部め。
「止まれよっ!何に怒ってんだ!言ってくんねえとわかんな「好きなんだよ!!!!」」
鼻が優都の背中に強打する。
ただでさえ低いのにこれ以上低くなったらどうしてくれるんだ。
「え?何が?」
鼻を擦りながら問いかけると、優都が凄い顔を向けてくる。
もしかして、僕は見当違いなことを言ってしまったのだろうか?
「那弥が」
「え……と?」
真剣な表情に鼻をさすっている場合じゃないな、と気づいた僕はゆっくりとその手を下ろす。
「那弥のことが好きだから。だから七瀬に押し倒されてるの見て、キレた。……悪かったと思う。急にキレたりして。でも本当にお前のこと」
「ちょ、ちょっと待って……」
その話は頷くには突飛で笑い飛ばすには真剣過ぎた。
「それはその……ありがとう……?俺も優都は割と良い奴だと思うけど……」
「違う」
「つまり……えっと、友達とかじゃなく?」
こんなことはじめてで、どう対処したら正解なのか、わからない。
「好きだ」
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