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「……那弥?」
突然動き出した僕に戸惑う声を投げかける優都。
「っ、おい。那弥?どこ行くんだよ」
さっき僕が止まってって、言っても止まってくれなかった癖に。
「おい、待てって」
自分では早足のつもりだった。実際僕はもう息が切れ始めていた。
ぐいっと後ろに引き寄せられる。
「やだ!!!!!!!!!」
「……那弥……」
「王子様の隣には何時だってお姫様が居るもんだろ。僕はお姫様にはなれないんだよ!」
また、「何那弥、中二!?」とでも言って笑い飛ばすのだろうか?
でも、僕はいつだって本気だ。
笑い飛ばされても睨み返すほどの気力なら、まだ残っていた。
「お前はいつだって自分を否定するんだな」
突然低い声が耳元で聞こえ、温かい吐息
がかかって背中がゾクリとする。
「まぁ、俺の告白は聞かなかったことにしてよ」
ぎゅうう、と優弥の長い両腕に抱きしめられて気づいたら暴れていた。
「ちょっと!何すんだよ!優都!」
「俺も無かった事にするから」
「はああああ!?アレを無かったことにとか!無理だろ!?」
どんなに暴れてもバスケ部の力にはかなわないらしい。
「だから、お前が俺の事好きで好きで堪らなくなったら思い出せばいい」
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