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四
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声……?
いや、
そんなわけないよね。
だってこんな時間だもん。
しかも、ここ屋上だし。
早々人なんてくるわけ────
「オイ!!!」
また、あの声。
やっぱり聞こえる!
と思った時には、
すでに僕の身体はふわりと浮いて、誰かに抱き抱えられていた。
「!?」
目の前にあるのはすっごくカッコいい男の人の綺麗な顔。
たぶん、さっきの声の人だと思う。
今はそれだけしかわからない。
現状に頭がついていかないけど、とりあえず、聞くことを聞かないと。
僕は勇気を出して、口を開く、直前。
ぱしん、と
ほっぺを叩かれた。
冷たい風が当たってびりびりする。
「………………っ。」
いたい、けど、
もう慣れたもん。
今更、殴られたって、泣かないよ。
でも、、
そっか、この人も、僕をいじめにきたんだ……。
やっぱり、みんな僕のことなんてどうでもいいんだ。
僕の味方なんて誰もいない。
なぜか、また涙が溢れてくる。
「……うぅ……ひ……っ……。」
ぼろぼろ泣いていると、男の人から怒声が飛んできた。
「メソメソ泣くんじゃねぇ!
てめぇ男だろーが!みっともねぇんだよ!
それから、死のうとかバカなこと考えてんじゃねぇぞ!次ここでてめぇを見たら今度はグーで殴るからな!」
早口で怒られた。
でも、なんか違う?
他の、、
僕をいじめている人たちとは違う?
バカって言われたけど、
殴るって言われたけど、
「し、死ななくてもいいの?」
僕がおそるおそる聞くと、この人はぎろりと上から僕を睨んだ。
僕の小さい肩がびくつく。
「だから、死ぬなっつってんだろーが。」
!!
死ぬな?
死んじゃだめなの?
生きていていいの?
僕は、こんな人間なのに?
怒られた時、一度は止まった涙が、また溢れてきた。
うれしい……のかな?
僕はなるべく目を合わせないようにして、言った。
「あ、あり…がとう、ございます。」
それを聞いて、この人は少しだけびっくりしてた。
何でかな?
「…礼はいいから、
……とっとと帰れよ。…じゃーな。」
最後まで言い終わるのと、僕をおろすのが同時だった。
僕も返す。
「じゃ、じゃーな?」
とりあえず返した、けど…
じゃーな、ってなぁに?
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