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「そんな緊張しないでいいから座りなよ」
叶多の後ろに回った伊東が肩を軽く押してくる。
長身な彼が背後に立つと、圧迫感から余計に動悸が激しくなってしまうけど……それを悟られぬように叶多はゆっくり脚を前に踏み出し、対面に置かれているソファーの所へ移動した。
「失礼します」
テーブルを挟み反対に座る人物に軽く頭を下げると、伊東の指示に従う形でソファーへと浅く腰を下ろす。
生徒会に呼ばれたからには彼が居る可能性も小さくは無いと思っていたが、実際に間近で見るとその迫力に冷や汗が出た。
生徒会長の須賀悠哉。
普通に生活してれば絶対関わり合いになる事はない人物が、今自分の目の前にいる。
まるでこちらを値踏みするように、無言のまま見据えて来る強い視線が突き刺さり……叶多はすぐさま逃げたくなるが、それを堪えてギュッと掌を膝の上で握り締めた。
「何故此処に呼ばれたか、分からないって顔だな」
沈黙を破った須賀に思わず視線を上げた叶多は、緊張の余り渇いた喉を潤す為に唾を飲む。
「はい、僕なんかに何の用事があるのか正直分かりません」
出来る限り実直に今の気持ちを口に出せば、背後に立つ伊東がククッと喉で笑う音が聞こえた。
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