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それからの一週間は、思っていたより平和に過ぎた。
あの日……須賀の部屋へと荷物を運んで来た生徒の、興味と侮蔑がない交ぜになったような視線は嫌だったが、今の所生活にさほど大した支障は出ていない。
須賀とは全く会わないし、持たされている携帯電話もまだ鳴ってはいなかった。
彼は本当に自分みたいな人間が嫌いなのだろう。
誤解されたままだけど……このままの状態が続くのならばそれでいい。
瞬とは全く会話が無くなり淋しい気持ちで一杯だけど、彼の為にも今は我慢しなければ……と、思っていた。
―――雨……か。
授業中……視線を窓の外に向け、そろそろ梅雨の季節なんだと叶多はぼんやり考える。
雨は嫌いだ。
低く垂れ込めた暗い雲に、胸が詰まる感じがする。
不幸も悲しい知らせも大抵雨と一緒にやって来る。
それに……。
「小泉君」
考えに深く浸っていると、頭の上から声がして……慌てて叶多が振り仰ぐと、クラス委員長の岩崎が机の脇に立っていた。
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