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「っ!」
「護られてない従者は……好きに扱って良い駒だってルールだよね」
―――ルー……ル?
体はまだ震えているが、頭の中は先刻よりも少しは落ち着き始めていて、叶多は男の放った言葉を頭の中で反芻する。
「確かに、昔は暗黙のルールがあったみたいだけど……今は流石に不味くない?」
「そう?てっきりその為の駒だと思ってたんだけど違った?男嫌いで有名な会長が、誰も納得しない従者を作って傍にも置かない……それって、従者になりたがってた奴らから見たら格好の獲物じゃん」
「もしそうだとしても、これは犯罪行為だろ?こんな事、会長が許すと思う?」
「さあ、どうだろう……ね?」
チラリとこちらを見下ろされ、心臓がまた大きく鳴る。
注意を向けて欲しく無いと心の底から思ったが、そんな些細な叶多の願いは須賀によって砕かれた。
「退け」
消して大きくは無い声だったが、弾かれたように周りで叶多を抑えていた生徒達の手が離れて手足が自由になる。
「……あっ」
痺れたように痛む手足を動かそうとした所で、逆さまに視界の中へと入って来た須賀の姿に思わず声を上げるけど……無表情に見下ろす彼から感情はまるで窺えなかった。
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