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「動くな」
乱れたシャツの前を閉じようと震える指で掴んだ所で、一言そう声を掛けられ身体がビクリと反応する。
「……でもっ」
いくら自分が従者とはいえ、そんな命令に従うなんて出来ないと思った叶多が、それでも指を動かすと……舌打ちをした須賀に突然左右の手首を掴まれた。
「あっ……っ!」
「伊東、抑えてろ」
「……了解」
こうなると……叶多の小さな抵抗など、全く問題にはならない。
いつの間にか近づいていた伊東に手首をそのまま持たれ、机の上に縫い止められて先程までと何ら変わらない体勢にされてしまう。
「な、何をっ……」
「ごめんね」
困ったような笑みを浮かべる伊東が瞳に映るけど……そんな事よりも胸元をなぞる須賀の指が怖かった。
―――やっぱり……助けに来た訳じゃないんだ。
一瞬だけ頭を過ぎった期待は結局裏切られ、現実にはこんな時、都合良く助けは来ないと思い知るだけの結果となる。
―――分かってたのに。
そう……頭の中では分かってるのに、いつもささやかな希望を抱いてどん底へと堕とされる。
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