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誰かが情で掛けてくれたのか、そのままでは見苦しいから掛けられたのかは分からないが、裸でそのまま放置されるより幾らかマシだと思う自分は、相当馬鹿なのかもしれない。
行為中、誰も助けてくれないばかりか、嘲笑っている生徒もいて……それを思い出すだけで、胸がズシリと重くなった。
―――これから……。
どうしようかと考える。
この学園から逃げ出す事はさっき決心したけれど、その為には、一旦自分の部屋へと戻らなければならない。
荷物なんて殆ど無いが、制服姿で外へ出るのは流石に無理だと考えた。
それに……多少の資金は必要だ。
父の遺産はあまり無いが、それでも今後援助が切れたら入院費用に充てようと……母の口座に残してあり、その中から、何かの時には使えるように、幾らかの現金は部屋の財布の中にある。
―――大丈夫……きっと、彼は部屋には居ない。
大抵いつも居ないのだから、今日に限って居るなんて事は無いだろう。
そうとも思い込まなければ……部屋に戻れなくなってしまうから、叶多は必死に自分自身に何度もそう言い聞かせた。
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