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噂はきっとすぐに広まり、この学園に留まれば……更に酷い仕打ちに遭うのは火を見るよりも明らかだ。
―――考えるのは、後にしよう。今はそれより……。
考えに深く耽る内に動きが止まってしまったけれど、逃げる方が先決だ……と、思った叶多はノロノロ動き、気持ちの悪い感触に耐えてどうにか下着を身に付けると、グシャグシャになっている制服をなるべくきちんと着用した。
ポケットを探ってみると、鍵代わりの携帯は、きちんとそこに入っている。
「うぅっ」
足を踏み出せば今度はアナルに焼けるような痛みが走り、頭もクラクラしたけれど……叶多は気力を振り絞って極力普通に歩き出した。
下校時間は過ぎているから誰と会うとも限らない。
第二校舎から寮の間に渡り廊下はついていないから、叶多は雨の降りしきる中を寮に向かってひたすら歩いた。
だけど。
時間にしたら五分と掛からず部屋へと着ける距離なのに、自分で思っているよりずっと身体は疲れ果てていて……。
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