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―――ここは……どこ?
床では無い寝心地に……急に不安になった叶多は、視界を得ようと身じろぐけれど、身体を動かす事が出来ない。
正確には、足はどうにか動かせるけど、手首が両方一纏めにされ頭上で拘束されていた。
「起きたか?」
「……ひっ!」
耳許から響いた声に、恐怖のあまり情けない声が唇から零れ出る。
須賀がいると思うだけで身体がガタガタ震え出し、その様子に気づいたのだろう、また舌打ちが聞こえてきた。
「お前、逃げようとしてただろう?」
真上から顎を強く掴まれ、上手く息が出来なくなる。
全く明るくならない視界に、目を何かで覆われていると漸(ようや)く叶多は気がついた。
「携帯が、玄関に捨ててあった」
「ちが……落としただけ……」
何を言っても無駄なんて事は百も承知してたのに、混乱してしまった叶多は拙いながらも反論する。
須賀が部屋に戻って来た時、携帯電話が落ちていて……水滴が点々と廊下に道をを作っていた。
逃げたのかと思った須賀が叶多の部屋のドアを開けると、予想に反して意識を無くし、床に倒れた本人がいて……。
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