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―――ここは彼の部屋なんだろうか?彼は何で、僕を此処に連れて来たんだろう?
ドアの開く音もしないし、ベットが軋む音もするから、その可能性はかなり高い。
―――あんなに、嫌いだって言ってたのに……なんで?
どちらにしても見えないのだから考えるだけ無駄な事だが、須賀という人間が何を考えてるのか分からないから、えもいわれぬ不安ばかりが叶多の心の中に積み重なった。
―――寒……い。
雨に打たれたせいだろうか、素肌に布団を被っただけの状態だからか分からないが、段々寒くなって来て……少しでも暖を取らなければと、不自由な身体を横に向け猫のように丸くなる。
身体の震えは寒さからなのか恐怖からかは分からないが、眠ってしまえば朝になって……そうすれば、状況もきっと変わる筈だと叶多は願った。
―――お母さん、ごめんなさい。
前の学校から逃げて、また此処から逃げ出して……自分が我慢できないばかりに、病院をまた移らなければならなくなってしまうだろうし、今までと同じような医療は受けさせられなくなってしまう。
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