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―――俺が、絶対受け入れないと踏んで……か。
それなら理屈はすんなり通る。
無理難題を押し付けて、体良くあしらうつもりなのだ。
そのまま返さずわざわざ肩を掴んで瞬を引き止めたのも、
『これ以上、この件に踏み込むな』
と、忠告したいだけなのだ……と、掴んで来る掌に篭る強い力から推測出来た。
「なりたい奴なんて、幾らでもいるだろ」
「そりゃ……ね。だけど俺は瞬がいい。本当なら拒否権なんかあって無いようなもんだけど、瞬は特別だからな。自分で決めて良いよ」
「俺は、特別なんかじゃない。圭吾がそうしたいなら、指名すればいい。ただ、それが交換条件なら、叶多の事を先に教えろ」
「へぇ……そこまでして小泉君を助けたいんだ」
驚いたような表情をして、それから圭吾は手を離す。
売り言葉に買い言葉のような状態になってしまったが、叶多を何とか助けたいから瞬は黙って頷いた。
「いいよ。じゃあ教えてあげる」
すんなりそう答えた圭吾を訝しむような視線を向けると、迷っているのを示すように瞳が僅かに眇められる。
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