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中には貰ったノートと同じく綺麗な文字が並んでいて、瞬が書いた物であるのはどうやら間違い無いようだ。
『叶多へ
見張られてるから下手に動かない方がいい。
何も出来なくてごめん。
必ず助ける。
何があっても友達だよ』
小さな紙に書かれていたのはたったそれだけの文章だったが、それでも今の叶多にすれば、泣きそうな位嬉しかった。
―――友達、何があっても……。
出来る限り自然な動きで、丁寧に折った瞬の手紙を制服の内ポケットに入れる。
―――ありがとう。
その気持ちだけで十分にだった。
助ける……と書いてあったが、瞬に危険が及ぶのは、叶多の思う所では無い。
それだけは彼に伝えようと叶多は思考を巡らせて……やはり手紙を書くしか無いという結論に辿り着いた。
―――でも、どうやって渡そう。
もし仮に、最低限の接触だけを須賀が許したと言うならば……ノートを持って分からない所を聞きに行っても、きっと問題は無いだろう。
だけど、もし違ったら……。
―――帰り……伊東さんに、聞いてみよう。
話し掛けたりはあまりしないが、射矢より伊東の方が幾らか接しやすかった。
今日は射矢が朝だったから、帰りは多分伊東の筈だ。
そんな事を考えながら、何も無かった数日間で随分気持ちが落ち着いて来たと息を吐き出した叶多だが……丁度その時、見透かしたように携帯電話が震え出した。
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