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チラリと視線を横に送ると、余程驚いたのだろう……大きな瞳を更に見開いて叶多が小さく震え出す。
―――そう、それでいい。
きっと叶多にはこれから何が起るのかなんて、想像さえも出来ないだろう。
「連れて来てくれてありがとう」
口角を少し上げた悠哉は、労いの声を伊東に掛ける。
「で、俺に何の用ですか?」
「ああ、その話だが……」
気後れする素振りも見せずに聞いて来る佐野を視界に入れ、唇端だけを器用に上げると、彼を真っ直ぐ見据えた悠哉は良く通る声で言い放った。
「俺の従者のガードになれ」
と。
***
授業中、震えた携帯電話を見ると、着信ではなくメールだったから叶多はひとまず息をついたが、書かれていた内容を見て胃の奥がズンと重たくなった。
そこには……放課後生徒会室へ来るようにと書いてあり、正直来たくは無かったけれど、逃げ場なんてもう何処にもないから、仕方無く重い足を運んだ。
―――どうして瞬が?なんで……この人が?
そして今、状況に上手く付いていけずに、叶多は激しく混乱している。
生徒会室に入って最初に声を掛けてくれたのは、会計をしているという椎葉という生徒だった。
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