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快活そうな爽やかな顔に明るい笑みを浮かべた彼が、緊張の余り強張る叶多を須賀の隣へと誘導したのだ。
須賀はチラリとこちらを見たけれど話し掛けて来る事もなく、すぐに興味を失ったように視線を書類に戻したから……叶多は彼に怯えながらも僅かな希望を抱いていた。
今日は本当に何も無いかもしれないと。
ただ従者だから、用もないのに呼んだだけかもしれないと。
なのに……。
「冗談だろ?何故そんな事をしなくちゃならない」
佐野と呼ばれた生徒の声は表面上は落ち着いているが、見下だすような視線が真っ直ぐ叶多の方へと向けられる。
「冗談を言う為に呼んだりしない。お前、コイツと同じクラスだろ?」
「殆ど出席してない」
「なら出席しろ。これは決定事項だ」
何故彼はいつも他人の話を全く聞こうとしないのだろう……と、叶多は心で毒づくが、この状況では視線を下へと向ける事しか出来なかった。
「その子は納得してるの?」
「コイツの意見は関係無い」
意見なんて聞いて貰える筈も無い。
そもそも人間扱いすら、受けた覚えが叶多には無かった。
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