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「……あっ」
「ちょっと寄り掛かってな」
エレベーターに乗った所で佐野に肩を抱き寄せられ、慌てて身体を離そうとすると、すぐ頭上から彼の声が降って来た。
「でも……」
「いいから。ちょっとは楽だろ?」
条件反射で身体が自然に震え出してしまうけど、意に介した様子も見せずに佐野は飄々と言い放つ。
確かに……立っているのもようやくだから、こうしていると身体は随分楽だった。
―――それに。
気のせいかもしれないが、いつもより震えが幾分小さくなったような気がする。
「大丈夫、誰も乗って来ないから」
軽く頭を撫でられて、叶多は小さく頷いた。
このまま……立ったままで寝てしまってもおかしくない程体調が悪い状況の中、きちんとした判断なんてとても出来やしなかったし、相手の佐野が以前自分にした仕打ちは覚えているが、ここ数日間教室でも、食事の時にも大抵ずっと傍にいたから、頭よりも身体が先に慣れてしまっているのかもしれない。
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