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「さあ、どうだろう」
「お前がけしかけた岩崎は、転校させられた」
「岩崎?ああ、委員長……だったっけ?けしかけるなんてとんでもない。誤解だよ」
肩を竦めてそう答えると、珍しい事に瞬の口元が一瞬だけど僅かに歪んだ。
余程頭に来たのだろう。握った拳が小さく震えているのが分かる。
「叶多に何かしたら、承知しない」
「怖い事言うなぁ。ってか、その台詞、悠哉に言えよ」
「言える訳っ……」
「俺には言えるのに?結局自分が可愛んだろ?まぁそれが普通だし……久世君のそういう所、俺は結構好きだよ」
「俺は……お前が大嫌いだ」
声が僅かに震えているのは、感情を上手くコントロール出来ていないから。
去年は良く見たその姿に、佐野は口角を更に上げる。
「さて、見張りに報告されでもしたら、困るのはこの子だ。そろそろ席に戻った方がいい」
「……分かってる」
予鈴の音が聞こえて来たから話を切ってそう告げると、叶多の頭を撫でていた手を名残惜しそうに離しながら、こちらに視線も向けないままに瞬はボソリとそれに答えた。
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