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彼はこの先どう動くのか?
図星を突かれた瞬はもっと怒るだろうと思っていたから、些か拍子抜けしたが……彼には彼で何か思う所でもあるのだろう。
―――さて、どうしようか。
余程疲れているのだろう。ピクリともせずに眠る叶多を斜め下方に映しながら、首筋と襟の隙間から覗く紅い咬み跡にそっと手を伸ばし、確めるように指を這わせた。
―――もう少し様子を見るか……それとも。
須賀がここまで誰かに固執するのを見たのは初めてだけど、多分自分が執着している事にすら……彼は気付いていないだろう。
「ホント、悠哉は分かりやすい」
意味深な笑みを口元に浮かべ佐野が小さく囁くと、流石に擽ったいのだろうか、叶多が僅かに身じろいだ。
***
「……あっ」
目覚めた途端、机の木目が視界一杯に広がって……状況が上手く飲み込めないまま慌てた叶多が顔を上げると、「おはよう」と間延びしたような佐野の声が聞こえて来た。
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