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「止めろっ」
「やっ、やだっ……やめっ!!」
一瞬何が起きているのか理解できずに遅れたが、須賀は叶多のか細い手首を纏めて掴んで動きを封じた。
「何だって言うんだっ」
ただ誰が付けた傷痕なのかを問い質しただけなのに、何故こんなに過剰反応するのか分からず動揺する。
「あっ、ああっ!」
「落ち着け!」
「や……いたぃっ……やめっ、んぐぅっ」
久々に、大きな声で叫んだけれど、全く届く気配はない。
そればかりか、開き切った大きな瞳に涙の幕が張るのが見え、須賀は小さく舌打ちすると、華奢な身体を強く引き寄せ唇に深く口づけた。
***
『ど、ど…して?なんで、こんな……』
『叶多もようやく高校生になったから、そろそろ良いと思ってね』
いつもと変わらぬ優しい笑み。だけど、その瞳に宿る狂気は、行動からも言葉からもすぐに感じることが出来た。
ーーーあれが、悪い夢だったら。
『簡単な事だ。叶多がちゃんと言う事を聞ける良い子なら……ご褒美をあげるし、悪い子だったら罰を与える』
『っ!!』
手に持った鞭の柄の部分で顎を上へと向かされて、自分を繋ぐ鎖がカシャリと無機質な音を響かせる。
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