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「ふっ……ううっ」
両手首を一纏めに掴まれ、もう片方の腕に背中を支えられている体勢では、身動きすら儘ならないから受け入れるしか術がない。
―――な…なん……で?
クチュクチュという卑猥な音は耳に響いて来るけれど……いつものような激しさは無く、我に帰った叶多は酷くこの状況に狼狽した。
「ん……ふぅっ」
「少しは落ちついたか?」
須賀がゆっくり唇を離しそう尋ねて来るけれど……やはり上手く答えられずに叶多がコクリと頷くと、溜っていた涙が数滴泡の中へと吸い込まれる。
「明日、病院に行かせろってさ」
「……え?」
「お前の母親の見舞い。平日だけど父の予定がそこしか取れない。本来なら寮生の帰省は長期休暇と決まってるから、誰にも言うなよ」
言いながら、須賀は手首を掴む手を離しそれも叶多の背中へ回した。
「ビクつくな。今日は何もしない」
すっぽり身体を抱き締められて叶多が身体を強張らせると、更に両腕に力が篭って胸板に顔を引き寄せられる。
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