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「また、来るから」
「ええ、たまに友達も来てくれるし、みんな良くしてくださるから、お母さんは大丈夫。叶多も、無理しないでね……お母さん、すぐ元気になるから」
きっと酷く眠いのだろう。声が途切れ途切れになり、母の瞼が瞬きを何度も繰り返す。
「須賀さんも……何から何まで本当に、ありがとうございます。貴方がいなかったらきっと……」
「いいんですよ。気にしないで治療に専念してください。私は蓮から頼まれた事をしているだけですので……礼は私がいつか天国に行った時、本人から受け取ります」
ポンと後ろから肩を叩かれて振り仰ぐと、悪戯っぽい笑みを浮かべる須賀の父親の顔があり、叶多も釣られて笑みを浮かべると小さく頷き返してくれた。
「どうやら、眠ってしまったみたいだね」
「そう……ですね」
春より大分弱ってしまった母を見ながら答えると、「出ようか」と、声を掛けられ叶多は彼の言葉に従う。
「これらは、週一位は来させるように言っておくから」
「いえ、そこまでは……」
廊下を歩き始めると同時にそう告げられて戸惑った。
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